皆さん、こんばんは。
ミスカトニックです。
さて、今日は「占い依存」をテーマに、占いやスピリチュアルに対する依存とその問題について考えてみたいと思います。
占いやスピリチュアルに対してクライエントが依存するという問題は、この業界では常々問題視されています。
では、そもそも「依存」とはどのようなものを指すのか、そしてその問題や解決法についてみていきましょう。
そもそも、「依存」とはどのような状態なのだろう?
占いやスピリチュアルに対してクライエントが依存する…という事態に対して、誰しもが問題意識を持っておられると思います。
この問題を考えるうえで大切になってくるのは、「何をもって『依存』というのか」という事です。
「依存」に対する考え方、とらえ方は占い師さんやスピリチュアル・カウンセラーさんによって違ってくると思います。
中には、「何度も相談に来るクライエントが苦痛」という状態から、クライエントが依存していると考える方もおられます。
これに対して、私は違った捉え方をしています。
「依存」に対しては、私は2つの状態があると考えています。
(1)占いやスピリチュアルがないと、自分自身を保つことができない状態
(2)占いやスピリチュアルが、クライエントの「自立」を阻んでいる状態
この辺の捉え方は、心理カウンセラーとしての私の考え方が反映されていると思います。
まず、順番に見ていきましょう。
占いやスピリチュアルがないと自分を保つことができない
これは、心理臨床における「精神依存」と、ほぼ同じ考え方です。
具体的には、占いやスピリチュアルのセッションを受けたいという強い欲求があり、その欲求を抑えることができないという状態を指します。
その根底には強い不安感や恐怖があり、そのネガティブな感情を解消する手段として占いやスピリチュアルを求めるというものですね。
ここで問題となるのは、不安や恐怖等のネガティブな感情に対する対応方法をクライエントが持っていない、あるいは持っていても不十分である、という事です。
私たちのクライエントは大なり小なり自分では解決困難な問題を抱えており、その問題ゆえにネガティブな感情が生起されます。
そして、セッションを受けることによって感じることができる安堵感が持続するという状況です。
これはある程度は仕方のないことなのですが、その度に占いやスピリチュアルを求めるというのは健康的とは言えませんよね。
ここで問題となるのは、ネガティブな感情に対する対処法をクライエントが持っていない、あるいは持っていても不十分という事です。
この問題が解決されない限り、占いやスピリチュアルに対する依存の解決は相当に困難です。
占いやスピリチュアルが、クライエントの「自立」を阻んでいる状態
この問題は精神依存と関連が強いのですが、占いやスピリチュアルがクライエントの「自立」につながっておらず、自分自身を保つために占いやスピリチュアルが「欠かせない」ものになっている、という状態です。
クライエントが占いやスピリチュアルがないと自分自身を保つことができないという状況も健康的とは言えません。
本来的に、クライエントが抱える問題について占いやスピリチュアルは「副次的」なものであることが求められます。
しかし、本来は「副次的」なものが「主要的」になってしまっているという事は、占いやスピリチュアルがクライエントの問題解決を「背負ってしまっている」という状況を意味します。
この段階で、クライエントは盲目的に占いやスピリチュアルに対する「盲従」が生じていると言えます。
これは本来あるべき姿からは遠く離れた状態です。
「依存」は必ずしも「利用回数」から考えるべきでない
今まで「依存とは何か」という事を見てきましたが、ここで注意が必要なのは、「利用回数が多い=依存とは必ずしも言えない」という事です。
確かに、依存しているかどうかを判断する場合、利用回数は1つの指針となります。
しかし、クライエントの問題を考えた場合、セッションを受けた初期段階ではどうしても利用回数は多くなる傾向があります。
それはクライエントが問題を解決する手段として用いているものであり、そこだけを切り取って「依存」と決めつけることは、ちょっと違うんですね。
問題解決の初期段階では占いやスピリチュアルを必要とする頻度はどうしても多くなるでしょう。
それは、クライエントの問題が自力では解決困難だから、という事を意味しています。
ただ、セッションを通じてネガティブな感情に対する対処法を習得し、自立するチカラを習得するという事が望ましいものです。
ちょっと余談ですが、心理カウンセリングにおいても同じことが言えます。
私の専門である認知行動療法の場合は、解決する問題というものが明確にありますので、その問題の解決が図られる、あるいは自力で対処可能になるスキルを習得するという事が主な目的となります。
ただ、精神分析の場合は「自分自身を振り返る方法」として用いられるので、セラピストとクライエントのお付き合いは数年単位となります。
確か、宇多田ヒカルさんも精神分析を長期間に渡って受けていますよね。
確か宇多田ヒカルさんの場合は40分の精神分析を受けているという事ですから、おそらくはラカン派の精神分析なのだろうと推察されますが、この精神分析の場合はセラピストの分析を通して自分自身を見つめなおすというプロセスです。
ですので、年単位のお付き合いをしているという事をもって「依存」とは考えないんですね。
セッションの初期段階においてはどうしても利用回数の頻度は高くなります。
それは占いやスピリチュアルに限らず、心理カウンセリングでも同じです。
ただ、そのプロセスを通してセッションに対する渇望が薄れ、かつセッションのプロセスにおいて自己解決能力を習得し、ネガティブな感情に対する対処法を身に着けるという事が求められます。
依存の原因と対処の責任はどこにあるか?
占いやスピリチュアルに対する依存はクライエント自身の問題ですが、では依存の責任はどこにあるのかという事を考えると、私は占い師、スピリチュアル・カウンセラー側にあると思っています。
というのは、ネガティブな感情に対する対処法を身に着け、自立に促すという事が私たちの活動の目的でもあるからです。
そのため、依存的なクライエントが私のセッションに来られた場合、問題解決を図るという事も目的になりますが、同時にセッションの必要度を次第に下げるという事を意識するようにしています。
クライエントの依存的な傾向をクライエント自身で解決するという事はかなり大変です。
多くの場合、金銭的な問題に直面し、その結果利用を控えるというものが多く、依存的な傾向が根本的に解決されているとは言えないんですね。
そのため、依存的な傾向がある場合、その依存的な傾向を解決するという事も私たちのセッションでは求められていると私は考えています。
どのようにしたら「依存」は解決できるのか?
では、依存の解決なのですが、これは3つの柱から成り立っています。
まずは問題解決の見通しが立っているという事です。
クライエントは主訴たる自分自身の問題を抱えており、それがセッションを受ける動機なのですから、問題解決は重要なテーマです。
次に、ネガティブな感情に対する対処法をお伝えするという事です。
ネガティブな感情に対する対処法があれば、クライエントがセッションを必要とする度合いはかなり低下していきますよね。
最後は、占いやセッションがなくても自分自身を保つことができるようになる、という事です。
これは、どのような問題があっても「自分自身であり続けることができる」という方法をお伝えすることです。
これは、クライエント自身が「どのような自分自身でありたいのか?」という事を明確にし、そのための方法を習得する、という方法が有効です。
この3つを意識することで、クライエントの依存性を緩和するという事が可能になります。
大切なのは、セッションを通してクライエントのチカラを引き出していくというものです。
ぜひ、この点を意識するようにしてくださいね!
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